GISを有効活用しよう! ~活用編 GISとプロモーション活動~
今回は、プロモーション活動におけるGISの活用法ついて解説いたします。
GIS(地理情報システム)が何かを知りたい方は、下記のページで詳しくご紹介しておりますのでそちらをご覧ください。
『認知』からスタートするプロモーション活動
優れた商品やサービスなのに思ったように売れない・・・そんな事は枚挙にいとまがありません。
お客様はその商品やサービスを知らなければ、購入などすることは無い。
購買活動における最初の「認知」のフェーズを十分に達成できて、初めてそこから先の活動に意義が生まれます。
ではその最初の認知のフェーズにおいて何が重要なのでしょうか?
様々なファクターがあるのですが、GISは「いつ」、「どこで」、「だれに」という要素を分析することが可能です。
『媒体』としてのGIS
まずは、データ分析の前に、「媒体」としてのGIS活用例をご紹介しましょう。
桜の開花マップや、選挙の勝敗マップなどは地図を媒体として使用している非常にわかりやすい例です。
小売店の店舗の所在地マップなども、小売業さんやサービス業さんにとっては、無くてはならないものです。
空間的な情報を伝えるのには、もちろん地図が最適です。
『分析』としてのGIS①
では次に、媒体としての利用ではなく、プロモーションにおけるデータ分析としてのGIS活用方法をご紹介します。
例えば20代女性をターゲットとした飲食店で集客を行う場合、ポスティングや折り込みの最適化のためには、居住地を元にした国勢調査データにて分析を行うことが一般的です。
以下は2015年の国勢調査の500mメッシュデータを用い、20代女性の人数を色の濃さで表現したものです。
自宅に対してプロモーションをかけるには、ポスティングや折り込みが大変有効です。
その場合は、住居にて集計された国勢調査がデータとして適しており、この(図①)の赤い部分にプロモーションを行うのが有効という結論になります。
『分析』としてのGIS②
一方で、飲食店がランチの集客を行いたい場合、日中は働いている人が多いと思われますので、居住地にて集計された国勢調査データは不向きです。
こうした場合は人流データを用いて、ターゲットとなる20代の女性が、「何時の時点で」、「どこに」、「どれぐらいいたか」を分析し、街頭でのチラシ配布やエリアターゲティングしたオンラインクーポン配布などの活動が有効です。
この時、ターゲット顧客に対して直接的に来店を促すのに適した場所や時間を特定します。
以下の図はジオテクノロジーズ株式会社の「人流メッシュ統計」データです。
このデータの取得タイミングでは、12時から13時の時点では渋谷周辺での20代女性の人流が多い場所を見つけ出すことができます。
データ取得の時期や、集計エリアの細かさに違いがありますが、傾向としてはお分かりいただけると思います。
(図①)と(図②)を比較すると、20代女性の多い場所に違いがあるのがわかります。
つまりランチタイムの集客に最適な場所は、ポスティングにて集客をする最適場所とは異なり、それぞれのプロモーション手法によって最適な注力エリアは変わります。
この様に、プロモーション活動においても、GISと目的に応じた最適なデータを用いる事で多角的な分析が可能となります。
いかがでしたでしょうか?
今回は、GISとプロモーション活動についてお話させていただきました。
今後もGISについて様々な角度からの切り口で有益な情報をお届けして参ります。
どうぞ楽しみにお待ちください!
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