GISでテリトリー最適化

GISを有効活用しよう! ~活用編 GISでテリトリー最適化~

今回は、GISを活用したテリトリーの最適化について解説致します。

GIS(地理情報システム)が何かを知りたい方は、下記のページで詳しくご紹介しておりますのでそちらをご覧ください。

最適解、どのように導いていますか?

たとえば、北海道郊外の営業マンと、東京の都心の営業マンがいたとします。
それぞれに年間の見込み受注額が同じになるようにお客様を割り当てた場合、この2人は同じ労力で同じ成果を残せるでしょうか?
頭に地図を思い浮かべて想像していただくと、答えは予想がつくかと思います。

・・・

ご想像いただいた通り、同じ成果を出すとなると移動の負担の多い分、北海道の営業マンの方に大きな労力がかかってしまいます。

北海道_営業周り
東京都_営業周り

もちろん同一の都道府県内であっても、移動にかかる時間にギャップがあれば、商談に費やせる時間にも差が出ます。
また営業部全体の成果をアップさせるためには、メンバーの移動の無駄を削減する必要があり、公平性とモチベーション維持、ワークライフバランスの実現のためには、移動の負担、ポテンシャルの平準化の必要が出てきます。

こうした課題はGISで解決することが可能です。
ArcGIS Business Analyst Pro には、テリトリーデザインという機能があり、担当エリアないしは顧客の担当分けを、移動距離と営業マンごとの市場ポテンシャルの平準化を鑑みながら行います。

GISでの最適化

テリトリー最適化前

既存の営業エリアをGISに取り込んでみます。
地理的な要因を科学的に考慮していない場合、この様に人によって極端にエリアの広さが違ったり、飛び地になったりしていることが多々あります。

また担当エリアごとのポテンシャル(顧客数)を見ると、下記グラフの様に大きく差があります。(※①)

テリトリー最適化前
テリトリー最適化後

上記のデータに対して、移動距離とポテンシャル(顧客数)の平準化を実施することで、テリトリーが最適化されます。
また、その際にはその2つの要素に対するバランスを指定することが可能です。

最適化した結果が、下記の図となります。
設定したバランス指定を鑑みた処理の結果、飛び地や、変形した地形がなくなり、全営業マンの移動量が平準化されました。
また最適化前に比べ、1人当たりが担当するエリアのポテンシャルが平均化されました。(※①')

テリトリー最適化後

ここから実情を鑑み、移動距離とポテンシャルの平準化のバランスを見直したり、1つ1つのエリアを指定したりして、任意の担当に変更することが可能です。
上記例では、「面」つまりエリア単位で営業エリアの最適化を行いましたが、「点」つまり個々の顧客に対する、営業エリア(担当顧客)の最適化を実施することも可能です。

また本機能を用いて分析することで、配送エリアの最適化なども可能です。

"位置"情報で最適解を...

担当営業エリアや担当顧客のアサインメントは、通常実績や来期ポテンシャルのみなどで決定することが、決して少なくはありません。
しかし、現実世界を分析する際には "位置"という情報を加味しなければ、それは正しい結果とは言えません。

極端な例を挙げれば、ポテンシャルの平準化だけを考えれば、北海道と沖縄の顧客を同じ人が担当するということだってあり得ます。
しかし現実では、無意識に"位置"という情報を加味しているため、そういったアサインメントは起きません。

データ分析を行う際には、"位置"の情報が必要であることがおわかりいただけましたでしょうか?

※本ページに記載の製品名は各社の商標、または登録商標です。
 なお、本文中において TM、®マークの一部を記載しておりません。

いかがでしたでしょうか?
今回は、GISでのテリトリー最適化についてお話させていただきました。

今後もGISについて様々な角度からの切り口で有益な情報をお届けして参ります。
どうぞ楽しみにお待ちください!

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